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今週の一言 第二十四回 前回に引き続き テーマは「働き方」稲盛和夫をとりあげる

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今週の一言 第二十四回 前回に引き続きテーマは「働き方」 稲盛和夫をとりあげる

今週の一言 第二十四回 前回に引き続きテーマは「働き方」 稲盛和夫をとりあげる

2024/09/14

今週の一言 第二十四回 前回に引き続きテーマは働き方 稲盛和夫をとりあげる

『働き方』稲盛和夫 著 三笠書房より引用。

「もちろん、かく言う私も、もともと働くことが好きだったわけではありません。

ましてや働くことで遭遇する苦労などとんでもないと考えていました。

 子どものころは、両親から「わけときの難儀は、(こう)てでんせい(若いときの苦労は買ってでもしなさい)」と鹿児島弁で諭されれば、「難儀など、売ってでんすな(苦労など、売ってでもするな)」と口答えするような、生意気な子どもでした。働くことの苦労を通じて、自分という人間を磨くといった修身(道徳)臭い話は、今の多くの若い人たちと同様に、歯牙にもかけない少年であり、青年であったのです。

 ところが、大学を卒業し就職した松風(しょうふう)工業という京都にあるオンボロ会社は、そんな若者の甘い考えを打ち砕くだてしまったのです。

 もともと松風工業は、日本を代表するガイシメーカーの一つとして立派な会社だったのですが、私が入社したころはその面影もなく、給料の遅配など日常茶飯で、いつ潰れてもおかしくない会社でした。

 おまけに、オーナー一族の内輪もめや、労働争議が絶えず、会社近くの商店に買い物に行くと、「あんた、たいへんなところによく来たな。あんな会社におったら、嫁も来よらんで」と店主から同情される始末でした。

 そのため、私たち同期入社の者は、入社したそばから、「こんな会社はイヤだ。もっといい会社があるはずだ」と、そんなことばかり考えるようになり、寄ると触ると愚痴をこぼし合っていました。

 不況のさなか、恩師の紹介で、やっと入れてもらった会社です。本来であれば、「ありがたい」と感謝し、会社の悪口などとても言えた義理ではないはずです。

 それなのに、若く未熟な私は、紹介してくださった方への恩義を忘れ、また自分たちがまだなんの成果も上げていないにもかかわらず、不平不満だけは一人前以上に抱えていたわけです。

 そして、入社して一年もたたないうちに、同期入社の者は次々に会社を辞めていきました。最後までオンボロ会社に残ることになってしまった私は、もう一人残った九州天草出身で京都大学出の俊才と相談して、自衛隊の幹部候補生学校の試験を受けることにしました。

 結果は、二人とも合格。

 ただ、入学するには戸籍抄本が必要ということなので、鹿児島の実家に送付を頼んだところ、待てど暮らせど送ってきません。結局、その同僚だけが幹部候補生学校に入学していきました。

 実家から戸籍抄本が送られてこないのには訳がありました。

 後で知ったことですが、私の兄が、「苦労して大学まで進ませ、やっと先生の紹介で、京都の会社に入れてもらったというのに、半年も辛抱しきれんとは情けないやつだ」と怒って、戸籍抄本を送ってくれなかったのです。

 結果的に、私だけが、オンボロ会社に取り残されることになってしまったのです。

 私は一人、思い悩みました。

 会社を辞めて転職したからと言って、必ずしも新しい職場で成功するとは限りません。「会社を辞めて人生がうまくいった」という人もいるかもしれませんが、「会社を辞めたために、かえって悲惨な人生を送ることになった」という人もいるはずです。また、「会社に残って一生懸命にがんばったことが功を奏し、人生がうまくいった」という人もいるかもしれませんが、「会社に残ってがんばったけど、人生は思い通りにはならなかった」という人もいるはずです。

 会社を辞めるのが正しいのか、会社に残ることが正しいのかー私はたいへん悩んだあげく、一つの決断をしました。

 それが、「人生の転機」を呼び込むことになったのです。

 たった一人、オンボロ会社に取り残されるまで追い詰められて、目がやっと覚めたのです。「会社を辞めるには、何か大義名分のような確かな理由がなければダメだ。漠然とした不満から辞めたのでは、きっと人生はうまくいかなくなるだろう」ということに、私は思い至ったのです。

 そしてそのとき、会社を辞める確固たる理由も見あたらなかった私は、まずは「働くこと」に打ち込んでみようと決意したのです。

 愚痴を口にし、不満を抱くことをやめて、ともかく目の前にある自分の仕事に集中し、心底没頭してみようと、腹をくくり腰を据えて、はじめて、「働くこと」と真正面から本気で格闘してみることにしたのです。」

 

ここからが、この人の本当に面白いところだ。これは長く続きそうなので、この引用はまだまだ、次回今週の一言第二十五回へと続く。

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